Archive for the ‘松本清張全集を全部読む’ Category

松本清張全集21

2008/11/5 | 松本清張全集を全部読む, 読書

松本清張全集21

松本清張全集21「小説東京帝国大学・火の虚舟」を読んだ。

「小説東京帝国大学」が長編。「火の虚舟」は中篇。
どっちも読むのがとてもとても辛かった。

「小説東京帝国大学」は、明治終わりごろの、東京帝国大学に端を発したいくつかのエピソードからなる話。教科書問題とか南北朝の天皇問題とか。

また教科書か。

 
序盤の100ページくらい読むのが辛くって、そしてちょっと面白くなりそうで、それで残りがまた読むのが辛いという。
まず誰が主人公とかない。あとエピソードの興味がわかない。

発表当時に読者はどのように楽しめたんだろう。不思議になってくる。
「火の虚舟」についても同様で、面白くなかったなあ。

 

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松本清張全集20

2008/8/17 | 松本清張全集を全部読む, 読書

松本清張全集20

松本清張全集20「落差」を読んだ。

長編である。読売新聞朝刊(昭和36年11月12日~昭和37年11月21日)とあるが、まさか毎日の連載だったんだろうか?
話は長いんだが、死人が出るわけでもなく(最後にちょっと事件はある)、推理小説というより大衆小説ではないかという感じ。

教科書執筆の大家となりその業界では成功した男と、その友人で四国の高知にてダム建設のために地元民と折衝に追われる男と、その男の妻と、あと病死した学者の妻と。
その4人が主人公。

教科書界の大御所が女好きで、人妻をモノにしようと必死になる話が延々と…
それで、こんなのストーカー&レイプじゃないかというような鬼畜の行い。

久しぶりにイライラしながら読みましたよ。
別にストーカーとかレイプとかは問題にしないけど、いったい松本清張は何をしたいんだと思ったものだ。

こんな駄目な男の色事計画を延々と読まされてですよ。
それで終盤でとってつけたように教科書界に警鐘を鳴らし。
(教科書を出版する会社は現場教師に相当の賄賂攻勢をかけて業界全体が腐ってるんだという、そういう実態を明らかにしたかったのかもしれないけど、あまりにもとってつけたようだった)

 
教科書が検定に通らないと何の意味もない、というエピソードのへんで「これはなんか読んだような気がするなあ」と思ってたら、同じく松本清張の「カルネアデスの舟板」(こちらは短編)でも、モチーフは教科書業界だったのか。

なんか何を表現したいのやら、さっぱり伝わってこなかった。
(いや教科書業界を暴露したかったのですかね。ピンときませんが)

 

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松本清張全集19

2008/3/6 | 松本清張全集を全部読む, 読書

松本清張全集19

松本清張全集19「霧の旗・砂漠の塩」を読んだ。

「霧の旗」「砂漠の塩」「火と汐」の中編三作を収めている。
共通点があるわけでもない…あえて言うなら、中年の男女のもつれというか愛欲というか…なんでしょう。

「霧の旗」は有名じゃないですかね。兄が事件の容疑者として捕まったが無実だと信じている妹がいて、この妹が高名な弁護士を上京して訪ねる。しかし金が無いので弁護を断られる。
兄は獄死して、妹は弁護士を恨む。再び上京して、復讐をする…というもの。

弁護士にしてみれば逆恨みの何ものでもない。
今回、久しぶりに読んでみて「これは無いなあ」とあらためて感じた。

ぐいぐい読ませるし、復讐もしたたか。
でもこんな一生はむなしい。

よくこんな話を考えるものだ。

 
「砂漠の塩」は不倫の二人が砂漠で心中しようとする話…なんだこれは。
ミステリーというより、昼ドラだと思った。そんなに面白くない。

「火と汐」はやはり不倫の女性が死んで、犯人はどうやって実行したかのアリバイトリックもの。概してアリバイトリックものって面白くない。

なんか三作に統一感がない。ごった煮だ。
いずれにしても、それぞれ長いと思った。ここまでボリューム必要ないんじゃないだろうか…

 
「霧の旗」が、まだましなほうだけど、それでも古典だと思う。かなり。
 

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松本清張全集18

2008/2/5 | 松本清張全集を全部読む, 読書

松本清張全集18

松本清張全集18「波の塔」を読んだ。

これは何というか、ドラマのノベライズのようだった。もしかしたら読んだことがなかったのかもしれない。

ミステリでも何でもない。これといった謎もなく、もちろん殺人事件もない。
終盤でドラマ的な場面が用意されている。おそらくそこをやりたかったのだろうと思える作劇。

 
若い男がいて、人妻がいて、それで人妻の旦那がいて。
まあそれで時代なのか、もどかしい展開が続き(これがもうとんでもないボリュームなのです。連載小説だからだろうか、とめどないのです)

 
1959年~「女性自身」にて連載。1960年に出版、同年に映画化、1961年にドラマ化。
すごいね。勢いが。

 
当時だからこそ、読者の共感を得たのでしょう。
今これを読んで、とても面白いかというと、正直そういうことはない。

 
そういえば2006年の暮れにドラマ化されていたのは、この「波の塔」だったのか。そうかそうか。

麻生祐未だったな…

 

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松本清張全集17

2007/12/1 | 松本清張全集を全部読む, 読書

松本清張全集17

松本清張全集17「北の詩人・象徴の設計」を読んだ。

「小説帝銀事件」も併録。

 
…といっても、ちゃんと読みきったのは「小説帝銀事件」のみ。
「北の詩人」「象徴の設計」は読むのが辛く、断念しました。

読むのが辛いってのは、ちょっと読んだだけで眠くなってちっとも先に進まないとか、難解であるとか、少しも面白みを感じられず苦痛であるとか、そういうやつ。

「北の詩人」「象徴の設計」が面白いという人にはすいませんだが、俺はどこが良いのかさっぱり理解できなかった。

 
「小説帝銀事件」は、これ自体が有名だし、実際の事件も有名ですよね。帝銀事件。
旧三井銀行の椎名町支店で起きた大量毒殺事件。知ってますよね帝銀事件。

逮捕された人がいるんだが、これは冤罪じゃないのかっていう主張の小説。

読んでて、逮捕されるまでの濃密度はたいしたもので、がんがん読めた。
逮捕されてからの松本清張自身の主張となる部分は、少しくどいように感じた。

 
松本清張作品の中でこれは有名だけど、読むのは初めてだったかもしれない。
 

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松本清張全集16

2007/4/2 | 松本清張全集を全部読む, 読書

地の骨

松本清張全集16「地の骨」を読んだ。

なんとも…不思議な話。
殺人事件が起こるわけでもない。(最後の最後に死人は出る)

ある大学の助教授(主人公その1)が、入試問題の草稿をタクシーに忘れてしまうところから物語は始まり、それを届けてくれた善意の人がいて、例を言うため訪問するととんでもない美人実業家で、それでお付き合いがはじまって…という話。

と、

その大学の理事は銀行に隠し財産を築いている。それなのに授業料を値上げしようとして、反発運動が起きて、それに乗じて理事を追い落とそうとしてる男(主人公その2)がいて…という話。

と、

銀行の支店長の息子は、とんでもない美人実業家と付き合ってたんだが、主人公1のせいで振られて、嫉妬して、宝石とか裏帳簿とか盗んでしまったり、大学の理事が築いた隠し資産の情報を主人公2に教えたり…という話。

てなストーリーが絡んでいくわけです。
そこそこ面白そうなもんだ。

だが、読み終わって感想はというと、「面白くも面白くなくも、ない」てなところで、「長すぎる」というものだった。
なげーよ。通勤時にしか読んでないとはいえ一週間くらいかかった。

 
誰が主人公なのか、はっきりしないんですよね終盤まで。なんか誰を応援していいのかわからない。
とんでもない美人実業家が主人公なのかと思わせておいて、そうでもない。また何か狙いというか裏がありそうでいて、そうでもない。ただ美人の実業家なだけだった。

これが非常に残念というか。

 
あと、大学の理事も何か巨悪というか裏がありそうでいて、まあ裏はあるにしても脇役にすぎないところが残念だった。

 
事件性が何もないわけだ。最後の最後で痴情のもつれの殺人事件って…一週間も読んできて結果がこれかい、と驚きだった。
連載途中で少しずつ変わったのかなあ?
ちょっと解釈が難しい。

 
ドラマとして感じるのならば、まあよいんじゃないでしょうかね。
いっぽん筋が通ってるかというと…

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松本清張全集14

2007/2/2 | 松本清張全集を全部読む, 読書

わるいやつら

松本清張全集14「わるいやつら」を読んだ。

タイミングが良いのか何だか。
読んでいるとき、ちょうどドラマがはじまっているのを意識してなかった。
ああ、そういえば…というくらいのもんです。この三部作とか言うてるドラマは、いっさい観たことないし。

「わるいやつら」だが、まあタイトルは実に綺麗なものを持ってきたが、もうそこだけ勝負みたいな作品だなという感想。
中身といえば、かなりいきあたりばったりな印象がある。
もちろん、最後の最後までひっぱった伏線があり、おそらくそこで読み手をあっと言わせたかったに違いない。しかし、そんなのはかなり序盤で気づかされていたし。
結構ぶあつい本なのだ。ここまで必要なのかなあ?と思わされるほど、濃い読書とはならなかった。

もう「読まされている」という印象で。
おそらくドラマから入った人がそれがきっかけで本を買ったとしたら、かなりの確率で挫折させられるんじゃないですかね。主人公も違うし、時代性もね…

長編としては長すぎる、そういう作品でした。

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