残虐記
2009/6/19 | 読書
桐野夏生「残虐記」を読んだ。
文庫版で読んだが、実に薄い本でして、タイトルはドーンとしていて、何から何まで想像つかなかったが。
中身は濃かった。
ノンフィクションっぽいフィクション。作中作というか劇中劇?なんていうんだ。語り手がサンドイッチされて一人称がリレーしていく。夏目漱石「こころ」…とも違うか、微妙に。
題材は、新潟少女監禁事件だ。覚えてますか、新潟少女監禁事件。
2000年1月28日、新潟県柏崎市の加害者宅に別件(母親への暴力)で訪れた職員が、中にいた女性を発見・保護に至り、発覚した事件。女性は小学校4年生だった1990年11月13日、新潟県三条市で下校途中に行方不明になっていた。実に9年2ヶ月にのぼる誘拐監禁事件であり、社会に多大な影響を与えた。保護されたとき、被害者の女性は19歳で、PTSDと診断され現在も療養しながら生活を送っている。
つくづく、とんでもない事件である。
9年て。この人、今後どうなるの。
「残虐記」は、明らかにこの事件を題材に描かれている。
一年間、誘拐監禁された少女が、成人して、小説家となり、犯人が出所したことを知って…という。
少女は成人する段階で、ばっちりPTSDのまま。全編痛々しい。
問題作だったんだろうなあと思った。
しかしストックホルム症候群ばっちりの内容なので、新潟少女監禁事件の被害者関係者はこれを読んでどう思うのだろう。
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